背教者ユリアヌス

背教者ユリアヌス (上) (中公文庫)

背教者ユリアヌス (上) (中公文庫)

高校生の時に父から勧められてとても感動しました。本当にに素晴らしい本です。
最盛期を過ぎ衰退にさしかかった、ローマ帝国末期の皇帝ユリアヌスの、誕生から亡くなるまでの生涯を扱っています。
彼は歴史的な評価としては、何かを為した人物というよりは、為そうとして失敗した人物となります。ローマ皇帝になってからは、宮廷改革や、異教(ローマ・ギリシア古来の宗教)復興、ペルシアとの戦役のいずれにも失敗してしまい、彼は投槍での傷が元で(一説によると敵からでなく、味方からの槍で)戦場で亡くなってしまいます。
しかし、彼は死に際に深い安らぎと穏やかさを見出します。その情景が非常に美しく、とても感動しました。